今回は、「盛田みかん」の紹介です。
🍊来歴など
「宮川早生の枝変わりとして佐賀県東松浦郡七山村(現唐津市)の盛田博文によって発見され、1980年に品種登録された。表面が非常に滑らかでトマトにたとえられることもある。」
簡単に言うと、一般的な早生みかんの突然変異により生まれた品種ということです。温州みかんの一つです。
全国的にも生産者は少なく(たぶん)、希少種と言って良いと思います。実際、お店でこのみかんを見かけることはなかなか無いようですし、天水町でも作ってる人はあまりいないようです。果皮がツルツルなため傷がつきやすく、管理に手間がかかったり秀品率が低くなりがちなのも生産者が少ない理由の一つなのかもしれません。
🍊特徴
最大の特徴は、やはり見た目でしょうか。ツルッツルで丸っこくて、温州みかんらしくない。
外皮がピタッと内皮にくっついてて、ちょっと剥きにくいかもしれませんが、それだけ果肉が詰まってるとも言えます。内皮はとても薄くて、みかんをパカっと割ろうとした時にベリッと剥がれてしまうタイプです(
木村みかんと同じタイプですね)。そのため、内皮がほとんど気にならず、みかんの味をダイレクトに感じられます。
適期に食べた時の食感は、「ゼリーのような食感」と表現される方もいらっしゃいます。あくまで個人の感覚ですが、内皮の薄さと相まって、そのような感じ方をされるのもよくわかります。
味は濃厚で甘みが強く、酸味は程よいアクセントになる程度で、とても食べやすく美味しいです。他の温州みかんとは若干味が異なる感じもあり、何か他のフルーツのような味がすると言われたこともあります。
🍊時期
収穫は11月後半〜末くらいですが、その後しばらく貯蔵し、出荷は12月末から1月中旬くらいです。12月末でも美味しいのですが、1月に入ってからの方が酸味の落ち着き具合やまろやかさがより良い感じになるような気がします(好みによるとは思いますが)。
なお、1月ごろに市場に多く出回るみかん(青島みかんなどの晩生)は、内皮が厚めのものが多くなります。そんな中で内皮がとても薄い盛田みかんは一層美味しく感じられるため、この時期には貴重なみかんであり、このみかんの大きな長所の一つでもあると思います。
珍しさと美味しさから、一度お試しいただいたお客様からは毎年ご注文いただくことが多い人気のみかんです。まだご存知ではなかった方、食べたことのない方がいらっしゃれば、是非一度ご賞味ください。